
聴診器・咳と痰について
咳と痰はかぜをひいた時によくありますが、2週間以上長引く場合は別の病気を考えねばなりません。
1)熱があり汚い痰があるとき
黄色や緑色の痰があり、38℃位の熱があるときは肺炎を疑います。胸部レ線を撮ればすぐ分かります。肺炎は原則として入院が必要です。微熱が長く続くときは肺結核を疑います。肺結核は死亡率こそ減りましたが、患者さんの新発生はあまり減らず、年間3万人とも言われています。肺炎だと思って治療しても一向に胸部レ線の陰影が引かず、調べたら肺結核だったと言うのもありますので注意が必要です。
2)夜中や明け方に頑固な咳がある時
こういう症状が何ヵ月も続くときは慢性気管支炎や気管支喘息を考えねばなりません。咳と痰だけなら慢性気管支炎ですが、夜中にぜいぜい言って息が苦しくなれば、気管支喘息かもしれません。喘息の初期の場合は典型的な発作はなく、咳き込んで苦しいという訴えが多いようです。検査としてはスパイログラム(肺活量)やアレルギー検査が必要です。息切れが強いときは肺気腫かも知れません。
3)血痰のある場合
この場合はまず肺癌を疑います。肺癌の死亡率はついに胃癌を抜きました。肺癌は今から21世紀にかけて増え続けると言われています。胸部レ線で分かればよいのですが、癌が小さかったり肺の中心部にあれば、レ線では分かりにくい時もあります。喀痰細胞診といって痰で癌かどうかわかりますので、血痰がある時は一度は調べてもらいましょう。CT検査も有用です。肺炎や気管支拡張症、喉の病気でも血痰はありますので鑑別診断が重要です。