
聴診器・便通異常とO-157について
O−157が猛威を振るい、少しでも下痢をすると「O−157か」と言って来られる人もおられるが、一般に下痢は便秘と共によくある症状なので、よく理解しておく必要があります。
1)急性の下痢
突然腹痛と下痢が起こるのは「食べ過ぎ」や「寝冷え」による「非感染性の下痢」が一番多い。次に「食中毒」が多い。食材で言えば魚介類、卵や練り製品、揚げ物などが多いようだ。菌で言えば腸炎ビブリオ菌やブドウ球菌が多数で、この特徴は食物摂取から発病までの期間が数時間からせいぜい半日で、何に当たったか大抵見当がつくということです。今回の「病原大腸菌O−157」は潜伏期間が長く食材の特定が難しい。また菌からでる毒素が悪さをするため病状が重篤になっているようです。下痢止めや抗菌剤の使用の是非が問題になっていますが、一般的には、急性下痢に対して対症療法として脱水の防止や症状の軽減のために「下痢止め」、抗菌作用や2時感染の防止のために「抗菌剤」は使用します。無難な治療と言えば点滴と乳酸菌製剤と言うことになります。家庭では湯さましなどの水分を十分に取り安静にしていましょう。
急性下痢で、何が原因か分からず、症状が2−3日続き、血便もでるとなれば「O−157」が疑わしいと言うことになります。いずれにしても、冷凍食品の加熱、日の経った物の処分、手洗いの励行など日々の衛生管理が大事です。2)慢性の便秘、下痢
お年寄りは便秘の方が多く、外来では約半分方が下剤を服用しています。この特徴は便秘の後に下痢がくるという交替性の便通異常が特徴です。原因は胃や腸の機能が低下し動きが悪くなっているからです。家にじっとしていると運動不足になり、消化器の動きも悪くなります。消化のよいものばかり食べると便が固まってしまいます。野菜や海草もたくさん食べ、適度に外で運動もして快便快食に努めましょう。また手術後の腸管の癒着、便が細くなったり検便の異常の方は大腸ガンもありますので、注腸透視や大腸ファイバーなどの精密検査が必要です。